【一次創作】作品:Relanorelah III(物語)【Relanorelah】

しきりんの一次創作『Relanorelah』の作品を紹介しています。

まず最初にこちらを見てからよろしくお願いします。

【一次創作】作品:Relanorelah III【Relanorelah】
しきりんの一次創作『Relanorelah』を紹介しています。こちらは作品紹介となります。

もとは絵の練習用に生まれた便宜上の作品だったのですが、物語が生えてきた(!?)ので文章にしてみました。正直、物書きとしては不十分なので読みにくかったり描写不足があったり何なりいろいろとあるかもしれませんが、大目に見てくれると嬉しいです。

言い訳はこの辺にして、思いついた物語、雰囲気だけでもお楽しみください――

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Relanorelah III

雲ひとつ無い晴天の空の下、木々が生い茂る森にひとつの人影があった。
その人影は、緑の服に白のケープ、青のズボンに茶の靴と機能性以外何も考えていなさそうな服装の男性だった。後ろでひとつに結った緑がかった銀の長髪が歩く度にさらさらと揺れる。
ふと、彼が空を見上げた。空の色と比べればやや深い青の瞳が何処か遠くを見るように空を見つめる。
……次は何処の町に行こうか。
歩みを止め、空を仰ぎ見ながらふぅと一度嘆息した。
……首都のエステクトールにはしばらく行けないからな……やはりここはセルミルスールか。いや、それとも東に行くべきか……。
次の目的地を考えながら――唐突に数時間前のことを思い出した。

数時間前のこと。
フェストラントの首都エステクトールでいつも通りの買い物をした帰りだった。目の前で老人が何も無いところで躓いて転んでしまった。思わず身体を起こすのを手伝い助けた。――それが運の尽きだった。
老人が落とした首飾りを拾って欲しいと言うのですぐ近くに落ちてあった首飾りを拾った……その瞬間だった。首飾りに装飾されていた石が『赤く光り輝いた』。
――っ!!この石、「輝鏡鉱」――っ!?
赤く光り輝いた石が魔力に反応して光る輝鏡鉱と理解したと同時だった。
「こやつ、魔法士じゃ!!」
老人が何処から出しているのか分からない大声で叫んだ。その瞬間、今まで自由に動いていた人影と視線が一気にこちらに集中した。嫌悪、憎悪、不快……決して快くは無い視線が大量に突き刺さる。
「……せ。」
身体を起こし、しっかりとその場に立つ老人が何か言った。思わずそちらに振り返る。
「――殺せ!魔法士を殺せ!!」
老人が先ほどと同様の大声で叫ぶ。その瞳には強い殺意がこめられていた。その叫び声の余韻が消えてまもなく、周囲の視線が殺意に変わった。
拾った首飾りを老人の方へ投げてすぐにその場から離れるように町の外に向かって駆けた。複数の足音が聞こえたけどそれを振り切るようにただ全力で駆けた。
町を出てもしばらく走り続けた。人の気配を感じなくなったので一度足を止めて振り返る。もう誰も追いかけて来てはいなかった。
すぐそこに見える首都のエステクトールが、近くて遠い気がした。

そして今に至る。
……これが…………魔法士と科学の人間の……溝…………
知らないわけではなかった。むしろよく知っていた。それが原因で両親を失ったから。
魔法士とは、その身に魔力を宿した人間のことである。その魔力で様々な魔法を使う。魔力とは、もうひとつの生命力である。
魔法は人を超えた力だ。だから使い方によっては奇跡にも災厄にもなる。魔法士はその力で人々を導く存在だと聞く。だけど、現実はそうではない。本当に人を導き救う魔法士もいれば、残念ながら私利私欲の為に使って人に害をなす魔法士もいた。
どちらにせよ魔法士ではない人たちはこう思ったんだ。自分たちに力があれば、と。
こうして生まれたのが科学技術だった。専門的なものになると高度な知識などが必要とはいえ、科学は基本的には特別な能力が無くても誰でも扱える手軽な力だ。魔法士は元より絶対数が少ない。科学技術は瞬く間に普及していった。
ただこれだけでも魔法士と科学の人間の間で対立があったと言うのに、さらにその溝を深めるものがあった。それは、科学の人間の考え方だ。科学の人間たちは科学こそ真理でこの世界の全てを科学で説明できると思っている。だから、『科学で説明できない魔法士は得体の知れないものだった』。
科学の人間が魔法士に抱く感情は深く強かった。そう、魔法士の命を奪うくらいに。
……だから俺は魔法士であることを隠して生きてるんだけどな。
科学の人間たちが持つ正義を否定することは出来ない。彼らには彼らなりの考え方があるのだから。でもだからと言って彼らの正義に従うことは出来ない。だからこうして魔法士であることを隠して生きている。
……東の地に魔法士の聖地があるって言うのは知ってるんだけど。
しかし足先は東の方向には向かない。知っているのだ。その地も科学の人間たちと何ら変わりが無いことを。あちらはあちらで魔法至上主義で科学の人間を排そうとしているのだ。やっていることは何も変わらない。
……俺はただ互いの正義を尊重したいだけなのに。どうして互いを認められないんだろう。
足を止めたまま、ぼんやりと空を仰ぎ見る。しばらくそうして。
……あぁ、こんなことしてる場合じゃない。次の町に行かなきゃ。何処に行こう……。
視線を目の前の森に移し、一歩歩き出そうとした――その刹那。
「――――っ!?」
冷たく鋭い気配のような『何か』を背後に感じた。左から後ろへ振り向いて――何かの影と鈍色の光が高速でこちらに飛んでくるように迫ってくる様子が見えた。咄嗟に振り向く体勢のまま迫る何かを避けるように一歩下がった。ほぼ同時に何かの影と鈍色の光が高速で横切った。と理解した瞬間、左の二の腕から焼けるような熱と鋭い痛みを覚えた。
「――っ!?」
思わず右手で左の二の腕を押さえる。熱と温かい液状の感覚を覚えた。
……っ!?何が――
「勘が良いですね、マノ。」
聞き覚えの無い声に思わず目の前へと顔を上げた。少し離れたところに背の高い男性が悠々と立っていた。薄紫の服に焦茶の上着、白のズボンに焦茶のロングブーツと決して明るくない色だからこそ、外にややはねた金の髪がとても映えた。しかし、それよりも映えたのはこちらに向けられた血に濡れている鈍色の短剣だった。
あの短剣で斬られたと理解するのに時間を要することは無かった。
「何すんだよ!?殺す気か!?」
思ったことを後先考えずに言い放った。言ってから言い過ぎたかもしれないと思ったが――
「ええ。」
想像していなかった答えが相手から返って来た。その言葉に一瞬思考が停止した。
……は?……え?嘘……だよな?
まじまじと少し離れたところで立っている男性を見る。右手で持った短剣をこちらに向けたまま不敵な笑顔でこちらを見ている。その紫の瞳に――嘘偽りを感じなかった。
「は?え?本気で殺す気だったのかよ!?」
「ええ。」
先ほどと同様、あっさりと答えた。
「ってか誰!?何で俺の名前知ってるんだよ!?」
こいつとは初対面だ。俺は何も知らない!なのに何であいつは俺の名前を知っているんだ!?
「私はシライ。首都での出来事、全て見ていましたよ。」
こちらに向けた短剣と不敵な笑顔を一切変えることなくさらりと落ち着いた様子でシライが述べた。
「――っ!」
……『だから』か……っ!
町から脱出する時にちらりと聞こえていた俺の名前を叫ぶ誰かの声。あの中に俺の名前を知っているヤツがいたんだ。それをこいつは聞いたんだ。
それで。それで?
「何で殺されなきゃいけないんだよ!?」
「貴方が魔法士だからですよ。」
さも当然のように相手が答えた。その言葉に一瞬思考が停止して……すぐにはっとした。
「はあ!?わけが分からない!」
感情の全てを投げやりにぶつけたが、シライの方は何一つ動じない。相変わらず短剣をこちらに向けたまま不敵な笑顔だ。
「貴方の頭でも分かりやすく説明しますと、魔法士は『人の形をした化け物』です。化け物に生きる権利など無いことくらいは分かりますよね?」
すらすらと優しく諭すようにシライが述べた。その言葉を聞いて無意識に左の二の腕を押さえる右手に力がこもった。
「はあ!?待てよ!魔法士は化け物じゃない!人間だ!!」
「いいえ。化け物です。」
すぐに反論したのに即答された。
「決め付けるなよ!」
負けじとこちらも即答する。その様子を見てかシライがふぅと一度小さく嘆息した。
「科学的に説明がつかないものを決め付けとは言いませんよ。……、まさか貴方は自分のことを人間だと思っているのですか?」
「当然だろ!?」
……何わけの分からない事を言っているんだこいつは!?
急に短剣で斬りつけて来たと思ったらこれだ。何なんだよ一体!?
この状況だけでも困惑すると言うのにふっと急にシライから笑い声が漏れてさらに困惑を覚えた。思わずシライを凝視する。凝視されたシライはただ笑っている。
「ふっ、ふふっ……愚かですね。人間の真似事をしているとは。」
……それ、ただ笑ってたんじゃなくて嘲笑ってたのかよ。
腹立たしく思う気持ちをいったん抑えながら――
「真似事じゃなくて人間だよ!?」
当然のことを言った。
……何でいちいちこんな当然のことを言わなくちゃならないんだよ!?わけが分からねぇ!
突然襲ってきたかと思ったら本気で殺す気だったとかほんと、何なんだよこのシライってヤツは!?俺が何をしたって言うんだよ!?
相変わらず短剣をこちらに向けたままのシライが一通り嘲笑い終えてすぅっと目を細めた。
「救いようが無い化け物には永遠の眠りを与えましょう。」
優しく、優しく宣言した。
「だから!俺は――」
反論しようとした矢先だった。シライが短剣をこちらに向けたまま高速で急接近してきた。右に向かって大きく避ける。高速でシライが横切ったのを確認してすぐにシライとは逆の方向に向かって全力で駆けた。
「逃がしませんよ。」
ちらりと後ろを振り返る。こちらに振り返ったシライが短剣を構えて高速で追いかけてくる様子が見えた。
「いいや!俺は逃げるね!」
足を止めてシライの方へ振り向き直し、右手をシライの方へ向けた。それに呼応するように風が巻き起こった。
「ぶっ飛べ!!」
その声と同時、巻き起こった風の全てがシライに向かって襲い掛かった。
……ただ相手をぶっ飛ばす為だけの風だ。殺傷力が無い分、勢いには自信がある!
自信満々にその様子を見届けようとするマノに対し、シライは自分に向かってくる勢いの強い風に何一つ動揺せず――一度その場で足を止め、左手で腰の左側にあるホルスターから銃を素早く取り出し、風に向かって一発撃った。

リィン……ッ

鈴のような高く美しい音が響き渡った。そして――それと同時だった。魔法の風が霧散したのは。
――え?
……う、そ……?魔法が、消え、た……?何、で……?
今のは拒絶魔法じゃないはず……じゃあ何で魔法が無効化され――
ふっと急に目の前が暗くなった。はっとして目の前を見る。鈍色の光を振り上げる紫の瞳と――目が合った。
もはや無意識だった。両腕を前に出して目の前で交差させた。ほんの少し遅れて鈍色の光が目の前で左右に何度も高速で移動した。それを理解した――直後。両腕に想像を絶する痛みがやってきた。
「――――っ!!っぁ、ぁあああぁっああぁぁ――――ッッッ!?」
目の前にシライがいることを忘れて痛む両腕を震える手で押さえる。押さえた先からぼたぼたと赤い液体が地に落ちて震える足元を濡らしていく。
「貴方が辿るべき道、理解できましたか?」
優しく諭すようなシライの声に熱は無い。血で濡れた短剣をマノに向けたままその様子を静かに見下ろしている。
「あっ……あぁっ……ぁあっ、――っ!!」
痛む両腕を押さえながら震える足で一歩、一歩と下がる。が。
「さて、終わりにしましょう。」
シライはそう宣言し――目の前にいるマノの腹部を力強く蹴った。シライに蹴っ飛ばされてその場で仰向けに倒れた。すぐに起き上がろうとしたが両腕が痛くて身体を起こす支えに出来ない。何より、すぐにシライが上に乗ってきたから起き上がることなんか出来なかった。上に乗ってきたシライの右手にある鈍色の光がこちらの胸を向いている様子が見える……。
……魔法……何か、魔法を…………
もう一度相手をぶっ飛ばす風の魔法を使おうと精神を集中させた……瞬間、両腕から来る痛みがより一層強くなった。
……っ、ダメ、だ……集中すると痛覚が増す……これじゃ魔法に集中できない……
ただ荒い呼吸を繰り返しながら黙って倒れていることしか出来ない……。
「永遠に眠りなさい。」
シライの声が聞こえたと同時、鈍色の光が一直線に振り下ろされた。
……あ……俺、死ぬんだ…………、…………
こんな終わり方は想像してなかったな。もう少し……生きて……いたかった……な……。
静かに目を閉じて、その時を待って――

リィン……ッ

鈴のような高く美しい音で目を開いた。
上に乗っているシライが銃を何処かに向けている。シライの視線と銃の先を追いかけて自身の右の方を見る。地の魔法の余韻を残した女性が見えた。
「化け物が増えましたか。」
シライはあくまで落ち着いた様子だった。一方の女性は明らかな敵意をシライに向けている。
「報いを受けなさい。魔法の恩恵を忘れた愚かな人類。」
白と桃の服という女性らしい印象からかけ離れた冷たい言葉。長い黒髪をなびかせながら拳大の岩を五、六個自分の周囲に浮かばせたかと思うと、その岩をシライの頭部めがけて全て放った。
それを見たシライは素早くマノから離れ、女性にとっての右に向かって一度大きく跳躍した。女性が放った魔法の岩が素通りしていく様子を確認しながら、着地して一歩女性に向かって駆け出そうとして――左手に持つ銃を素早く自身の足元に向け、そのまま地面に向かって一発撃った。鈴のような高く美しい音が響き渡った。
「勘が良いのね。」
「化け物狩りには慣れていますから。」
今しがた足元から襲い掛かろうとしていた地の魔法を無効化したシライに対して特に動揺することなくただその様子を見る女性。しかしその赤の瞳から放たれる敵意は何一つ変わらない。
短剣を女性に向けながら銃を構えているシライと地の魔法の余韻を残す女性が互いににらみ合っている。
今の内に逃げようかとも考えたが両腕が痛くて身体が起こせない。黙って様子を見ていることしか出来ない……。
ちらりとシライが自身の持つ銃を見た。そして小さく嘆息した。
「今回は貴方たちの抵抗を認めてあげましょう。ひと時の安息を楽しみなさい。」
そう言ってこちらに背を向けて何処かへと去っていった。シライが姿を消したことを十分に確認してから女性がこちらに近づいてきた。こちらの様子を見るや否や、女性は腰の後ろにあるポーチから包帯を取り出してマノの両腕に服の上から巻いていった。
「簡単な止血を行いました。適切な治療の為、ここから近いセルミルスールに行きましょう。大丈夫、当てがあります。だから安心してください。」
そう言いながらマノの上半身を起こす女性の視線はまるで我が子を見るように穏やかだ。その視線に戸惑いながらされるがままに女性の手を借りて立ち上がった。
「歩けそうですか?」
「え?あ、あぁ、多分……。」
そう言って試しに一歩歩いてみる。両腕と左の二の腕に痛みが走るけど何とか耐えられそうだ。
「無理の無い程度に急いで町に行きましょう。」
女性がこちらに手を差し伸べながら微笑んだ。
「あー……うん。えっと……ありがとう?」
何処か戸惑いを感じながら女性の手を取り、町に向かって歩き始めた。
「礼には及びません。魔法士を救うのは当然ですから。」
そう言いながら微笑む女性に――――俺は何か、違和感を覚えたんだ。

セルミルスール。
首都エステクトールから南にある商業都市だ。人も物も多いこの町の片隅に俺と女性はいた。知っていないとたどり着けないような裏道の中の裏道を通ってとある建物に入った。
「お?セレモネちゃんじゃーん!」
建物に入ってすぐに見えたのは、ごちゃごちゃとたくさんの道具のようなものであふれた部屋とその中心にいる一人の女性だった。茶の服とズボンは男性的ではあるが、丸みを帯びたベージュの短い髪に大きな金の瞳が女性らしさを演出していた。
「おんやー?セレモネちゃん、今日は彼氏と一緒なのー?」
何かの道具の山に見える場所から出てきた女性が俺のことを助けた女性……セレモネに近づく。
「ディ、彼に治癒魔法を。早く。」
「ん?あーっ!?キミ、どうしたのこれー!?」
ディと呼ばれた女性がセレモネから急にこちらを向き、俺の両腕を見て驚いた。
「話は後です。早く。」
抑揚の無い声でセレモネがディに催促した。
「はいはーい。セレモネちゃんったらすぐ急かすんだからー。」
苦笑しながらディは両手をこちらの両腕にかざした。まもなくして淡い白の光がディの両手から溢れた。
「ちょーっとだけじーっとしててねー。」
ディに言われるがままにじっとする。淡い白の光が両腕に吸い込まれるように触れては消えていく。
……あ、れ?痛みが引いてく……これが……治癒魔法。
知識としては知っていたが実際に体験するのは初めてだった。
「はいっ!おーわりっ!もう動かしてもいいよー。」
その言葉にはっとして思わず両腕をその場で意味も無く上げてしまった。
「おやおや、元気そうで何よりだねー。」
ディが楽しそうに笑った。セレモネもその様子を見てふっと優しく微笑んだ。すぐに両腕を下ろしたが、何故か急に恥ずかしくなって視線を二人から逸らした。しばらくそうして、はっと思い出して両腕に巻かれた包帯を見た。
「あ、包帯――」
「何も気にすることは無いわ。消耗品なのだから。」
こちらが何かを言う前にセレモネが答えた。そして、こちらに近づいて包帯を外し始めた。
「え、あ?」
戸惑うこちらが見えていないのかセレモネはそのまま手際良く包帯を外した。
「あ、ありがとう……?」
「どーいたしましてー!」
ディが元気よく答えた。
……どっちかって言うとセレモネに言ったんだけど、まあいっか。ディにも言いたかったし。
「ねねっ、セレモネちゃん。彼氏は何て言うの?」
両手を後ろに回しながらくるっとセレモネに振り返ったディの言葉で思い出した。
「あ。まだ名乗ってなかった……俺はマノ。ほんとに助かったよ、ありがとう。」
改めて御礼を言った。すると、ディが目を輝かせながらこちらに振り向いた。
「へぇー!マノくんかー!よっろしくねー!」
そう言って俺の両手をぎゅっと握ったかと思ったらぶんぶんと上下に振ってきた。
「え?あ?あぁ、よろしく?」
ぶんぶんと両手を上下に振られながらとりあえずそう答えた。けど、よろしくって言われてもこの付き合いってこれっきりじゃないのか?
「セレモネちゃんは魔法士大好きだから!よろしくね!」
初めはその言葉の意味を理解出来なかった。
「ええ。マノ、貴方は私が護る――必ず。」
思いもしなかった言葉に思考が一瞬停止した。何度かその言葉を頭の中で反すうして、ようやく理解した。
「……は?え!?」
「あの科学信仰者に魔法士の本気を見せてあげましょう。必ず息の根を……止めてやる。」
嘘偽りの無い決意のこもったセレモネの赤い瞳と目が合った。それはほんの少しで、すっとマノの横を通り過ぎ、そのまま建物から出て行った。
「え、え!?待った!?」
慌ててセレモネの後を追って建物の外に出たが、既にセレモネの姿は何処にも無かった。
「セレモネちゃんったら彼氏を置いてどっか行っちゃった。」
いつの間にかすぐ隣にいたディがやれやれといった様子で周囲を見渡した。ふと、ディは何かを思い出したかのようにごそごそとズボンのポケットをあさったかと思うと、ポケットから一枚の紙切れを取り出した。
「あ、そうそう。ここ来るの難しいだろうからさー、これ、簡単な地図ねー。」
そう言いながら紙切れをこちらに渡してきた。本当に簡単な地図だった。簡単過ぎてやや難解である。
「ふふっ、これからよろしくねー。セレモネちゃんの彼氏のマノくーん。」
彼氏とかそういうことはどうでも良かった。
……セレモネを止めなければ。
……シライも止めなければ。

もう誰も、誰も…………魔法士と科学の人間との溝が原因で――死んで欲しくないから。

さいごに

ここまで見てくださり本当にありがとうございます!

物書きとしては不十分です。とりあえず雰囲気だけでも。そもそもこれ、絵の練習用なんですよ。いずれ絵にしてみたいですね。

目次はこちら

【一次創作】目次【Relanorelah】
しきりんの一次創作『Relanorelah』を紹介しています。こちらは目次となります。
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